所属団体について
目まぐるしく変わるファッションや日進月歩の新素材についての情報を得ながら、シミ抜きやプレスの技術を深め、同業他社の動向を知ることは、社会の中での自社の有用性を保つために不可欠です。
そのうえで、自社がどう在りたいかを考えて、粘り強く実行することが、何よりも大切です。
ここでは弊社が所属している業界団体について紹介いたします。
RCAについて
RCA(アール シー エー)とは、re-create association(リ・クリエイト アソシエーション)の略称で、再創造することを目的とする集団という意味を込めています。構成メンバーは、40代・50代のクリーニング店の個人事業主とクリーニング会社の経営者、またはそれらの後継者です。
スローガンとして、『洗わない』を知ると『洗う』ことの価値が出るを掲げて、新しいクリーニング業の在り方を研究・模索しています。
クリーニンングと『洗う』の関係
『洗わない』を知ると『洗う』ことの価値が出る...「エッ、何を言っているの?クリーニングって洗うことでしょ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、本当に洗う必要があるのでしょうか?クリーニングに出すことを迷ったご経験はありませんか?
- 例1 お出掛け用のコートの場合。今シーズン袖を通したのは、ほんの数回だけ。しかも、移動は車だった。
本当に大切にしているコートなので、来年も気持ちよく着たいな。...どうしよう。
- 例2 FRAYのドレスシャツの場合。勝負服のワイシャツ。短時間しか着ていないので、首周りの汚れが少し気になる程度だけど、次に着るのはしばらく先になるし、きれいにしておきたいな。
でも、これって、普段着のワイシャツみたいに全体を洗う必要があるの?自分でも洗えそうだけど、アイロンが掛けられないよな。...どうしよう。
- 例3 近所のクリーニング店で洋服を台無しにされたトラウマから抜け出せない。
アイロン掛けも嫌いじゃないし、なるべく自分で洗うようにしている。でも、どうしても自分では落とせないシミがある。...どうしよう。
クリーニングに出すか、出さないか、お金が惜しくて迷っているわけではないですよね。
最適なクリーニング方法
私たちRCAメンバーは、お客様のそのお品物にとって、最適なクリーニング方法をご提案することをお約束します。
最適なクリーニング方法は、
ご着用の状況、汚れ・シミの状態、素材の特性、デザインの特徴を観察して、場合によっては記録する
↓
お客様のその品物に対する思いを感じ取り、ご要望などの必要なことをお聞きして確認する
↓
自社の技術でどうしたらご満足いただける仕上がりにできるか、クリーニングプランを企画して、ご提案する
以上の手順で受付時に進め、お客様のご納得と同意をもとにクリーニングを実施いたします。
クリーニングとは違う「お手入れ」について
ここでクリーニングを敢えて、「再着用のためのお手入れ」と言い換えてみます。先述の例で、具体的に話を進めていきましょう。
- 例1のコート。『ブラシ掛け』が最適です。埃を落としながら、毛並みを整えて艶を出しましょう。
コートの素材によって、固い豚毛のブラシと柔らかい馬の尻尾毛のブラシを使い分けます。
- 例2のシャツ。立体的な裁断と縫製がされたシャツですので、ハンドアイロンで復元します。柔らかい生地の風合いを損ねないように、部分的に衿の汚れを落とします。
全体は優しく手洗いするのはいかがですか?糊はつけない方が良いですね。
- 例3。受付時にお品物を良く拝見せず、お品物に合ったクリーニングの方法をご提案しなかったことが不信感の原因だと思います。
シミ抜きはもちろんですが、汚れる前の予防のご提案をいたします。
いかがですか?
「お手入れ」では、『洗う』という行為は、必ずしも最適な手段とは言えないことがお分かりいただけると思います。
また、時にお客様の言外の真のご要望を推察して、『洗う』以外の最適な処置方法をご提案する場合もあります。
受付者の知識と経験に基づいた提案力とコミュニケーション力が重要であることもお分かりいただけたのではないでしょうか。
受付≠『診断』の必要性と確立
私たちRCAは、無条件に『洗う』ことを前提とした現状のクリーニング業から脱却して、『診断』に基づく「お手入れ」をご提案する 新たな業態を再創造し、豊かな衣生活の一端を担うことを目的とした集団です。では、どんなお店になるでしょう?一緒にイメージしてください。
こんなクリーニング店はいかがでしょうか。
こんにちは。本日初めて担当させていただきます、私、RCA認定診断士の藤木と申します。
お客様、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?
(専用のカルテを取り出しつつ)
石川様、今日はいかがなさいましたか?洋服のシルエット、デザイン、生地、ブランドを良く拝見して、石川様のこの洋服に対する思いを感じとりながら、お品物に最適な処置方法を『診断』します。
どうぞ何なりとお申しつけください。